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田尻徳風保育園

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本の紹介
ツバメ

  • 100万回生きたねこ

    作・絵 佐野洋子
    発行所 講談社
     田尻徳風保育園の園だよりで、この「本、だーいすき」を連載しているのですが、今回120回目となりました。120回?ふと、気づいたのですが、つまり10年間連載したということになります。

     
     ずいぶんと長い間連載できたなぁ、と感慨にふけるまもなく、記念すべき号に何を紹介するかずっと考えていました。記念となる、思い出に残る一冊かぁ・・・。

     
     と、考えた結果選んだのが今回の『100万回生きたねこ』です!

     
     今年の5月に山梨県立美術館に『100万回生きたねこ』原画展を見に行ったのですが、やはりこの一冊は外せません。最初にいつ読んだのかは覚えていません。でも、今でも、そしていつ読んでも気持ちを新たにできる本です。大げさに言えば、生き方を考えてしまう力があるのです。
     

     「100万年も しなない ねこが いました。100万回も しんで、100万回も 生きたのです。」冒頭から、いきなり話が展開し、ここだけでこの絵本が特別なものであることが分かります。ねこは、様々な人に出会い、そしてまた死をもって別れていきます。あるとき、ねこはだれのものでもない、のらねこでした。「ねこは はじめて 自分の ねこになりました。ねこは 自分が だいすきでした」。初めて、自由を手に入れたのでしょう。ねこは100万回しんだことを自慢にしていました。

     
     ところが、周りのねこがちやほやする中、一匹の白いねこだけは興味を示しません。そうすると不思議なもので、なんとかして関心をひこうとしますが、一向にダメ。その後、ねこは言うのです。「そばに いても いいかい」と。ねこには、自分よりもたいせつなものができたのです。
     

     
     最後にくる別れ。しかし何故か「よかった」と思える秀逸なストーリー。100万回生きるよりも大切なこと―それをねこたちは教えてくれます。これからも、多くの子ども達に読み継いでいきたい、大切な一冊ですね。

    2018年8月17日
  • コブタの気持ちもわかってよ

    作 小泉𠮷弘
    発行所 ベネッセ
     容易に感想を言葉にすることが出来ない絵本があります。描かれている内容はシンプルなのに、感想を述べるのに躊躇するのですね。私にとっては、以前紹介した『いのちをいただく』がそうでした。今回は、それ以来の戸惑いをおぼえながら文章を書いています。

     
     主人公はコブタくん。コブタくんのつぶやき、いや、静かな叫びでお話は進んでいきます。
    「ママはいつも『はやくあるきなさい』という。ボクは犬のことや花のことやまちのことをもっとゆっくり見ていたいのに」
    「おおきなこえで泣きはじめたとたんに『泣くな』っておおきなこえでおこられた。かなしいきもちはボクのなかにとじこめられる。ボクはかなしみをはきだせない。」
    「ボクいいこになるよ。だからそんなにおこらないで。いいこになればおこられないよね」

     
     この他にも、コブタくんの気持ちが少しずつ吐露されていきます。私達って、人の気持ちを分かったつもりでいますよね。でも、本当にそうなのでしょうか。子どもの気持ちを一番知っているのは、親なのでしょうか。子どもは何を見て、何を本当は感じているのでしょう。最後のページに、今後への希望を感じさせる一冊です。子ども、保護者、職員、色々な方に読んでいただきたいですね(園長)

    2018年7月19日
  • 未来のだるまちゃんへ

    作 かこさとし
    発行所 文藝春秋
     明らかに絵本界にとって「巨星堕つ」というほどの出来事なのですが、そのように感じさせないのが、かこさんのお人柄なのでしょうね。今年の5月2日に、かこさんがお亡くなりになりました。92歳でした。かこさんのことは詳しくなくても、『だるまちゃん』シリーズ、『からすのパンやさん』など作品はお読みなった方も多いでしょう。

     今回紹介した本は、かこさんの自伝です。その中に、絵本に込められたメッセージ、そしてかこさんが絵本に取り組む姿勢が詳しく述べられています。どの頁を読んでも、そこには子どもたちを肯定する姿、そして生きることの喜びが述べられています。「だから僕は、子どもたちには生きることをうんと喜んでいてほしい。この世界に対して目を見開いて、それをきちんと理解して面白がってほしい。」など、子どもたちに投げかけるべき言葉を、たくさん教えてくれます。。

     
     そのような子ども観を持ったのは、幼い頃の戦争の経験があるからでした。かこさんは言います。「僕は、いつか『戦争』を描いた絵本を出したい、出さなければ、と思い続け、何回も企画を立てては、自らボツにして、いまだに果たせずにいます。(中略)あと余命がどのくらいあるかはわからないし、果たして間に合うのかどうか。しかし、なんとしても間に合わせなければと思い続けているのです」。私たちは、どのようにかこさんの思いを継承できるでしょうか・・・

    (園長)

2018年6月4日
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