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ぼくはいしころ
まずは皆さんを驚かせましょう。、この絵本を手に取られたら、表紙をじーっとご覧になってください。猫の絵が描かれてるよね・・・と思われるかもしれません。絵?ちがうんです。作者の坂本さんは紙版画の作家です。そう、この猫ちゃんは紙版画なのです!すごい!ふわっふわっな毛並みにさわりたくなります。写真でお見せできないのが残念!
物語はノラネコの独白ですすめられます。誰も自分の事を気にとめてくれない現実を「いしころ」と同じだと嘆きます。「ぼくも きづけば ポツンとひとり。じっと だまって ここにいる。
だれも それを きにとめない。このいしころと おなじ」昼間は誰にも見つからないように、声をひそめてすごす。気持ちを出すことなく、それをじっと体の奥底にしまっています。
本の紹介
「ぜんぶ からだの おくに ある。だまっていれば ぼくらは へいわだ。 なんにも さみしいことはない。ねえ いしころ そうだろう?」
そんな時でした。ノラネコに「こんばんは」と誰かの声がかかったのは。この時からノラネコは変わっていくのです・・・。
わかる!という人多いかもしれません。ノラネコの描写を通じ、そこに描かれているのは、私達の姿かも知れません。その時に、誰かに一言声をかけられる。それだけで、自分の事を少し大切に思える。ノラネコから家族へ、いしころから生命へ。何度も読みたくなる一冊です!ぜひご一読を。