こんな本を読んでみませんか
おすすめのよみもの
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ぼくはいしころ
まずは皆さんを驚かせましょう。、この絵本を手に取られたら、表紙をじーっとご覧になってください。猫の絵が描かれてるよね・・・と思われるかもしれません。絵?ちがうんです。作者の坂本さんは紙版画の作家です。そう、この猫ちゃんは紙版画なのです!すごい!ふわっふわっな毛並みにさわりたくなります。写真でお見せできないのが残念!
物語はノラネコの独白ですすめられます。誰も自分の事を気にとめてくれない現実を「いしころ」と同じだと嘆きます。「ぼくも きづけば ポツンとひとり。じっと だまって ここにいる。
だれも それを きにとめない。このいしころと おなじ」昼間は誰にも見つからないように、声をひそめてすごす。気持ちを出すことなく、それをじっと体の奥底にしまっています。
「ぜんぶ からだの おくに ある。だまっていれば ぼくらは へいわだ。 なんにも さみしいことはない。ねえ いしころ そうだろう?」
そんな時でした。ノラネコに「こんばんは」と誰かの声がかかったのは。この時からノラネコは変わっていくのです・・・。
わかる!という人多いかもしれません。ノラネコの描写を通じ、そこに描かれているのは、私達の姿かも知れません。その時に、誰かに一言声をかけられる。それだけで、自分の事を少し大切に思える。ノラネコから家族へ、いしころから生命へ。何度も読みたくなる一冊です!ぜひご一読を。
おおきな おおきな木
絵 いもと ようこ
発行所 金の星社
おおきな、おおきな木がありました。その木にはおおきな穴があいていたのです。そして、そこにはたくさんの動物たちが訪れて、休んでいくのです。あるときは、かんかんでりの中をかけてきたウサギ。あるときは、大雨でずぶぬれになったキツネ。ある時は、年老いて自分の役割は終わったと悩むクマなど、多くの動物がおおきな木のもとにやってきます。そして、大きな穴で休んで元気を取り戻していくのでした。
そのようなある時、今度は人間の「たびのわかもの」が訪れます。若者には悩みがありました。「ぼくが ほんとうに やりたいことって なんだろう」。旅につかれた若者は木の穴のなかで、すぐに眠ってしまいます。そこで若者に夢の中から語りかける声が聞こえてきたのです・・・。
成長は早ければいいという訳ではありません。教育もそうですよね。人がのびてゆくには何が一番大切なのか、私達も今こそ若者と同じように声を聞いていかねばなりません。これからも続く成長を支えるものは何か。この絵本は3月に読むのに、とてもふさわしいと思うのです。