こんな本を読んでみませんか
おすすめのよみもの
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川はどこからながれてくるの
作 トマス・ロッカー
訳 みのうら まりこ
発行所 偕成社日立市にはたくさんの川が流れています。久慈川、宮田川、鮎川、茂宮川、桜川などでしょうか。私は子どもの頃は疑問に思わなかったのですが、「川のはじまりはどこだろう」と大人になり考え出したのです。
この絵本は、川の始まりを探しに行く絵本です。ジョシュとアーロンの兄弟が、家の前を流れる川を眺めながら言いました。「この川は、いったい、どこから、ながれてくるんだろうね」と。私が大人になった時の疑問を、すでに感じていたのです。そこで、二人がたよりにしたのは誰でしょう?それは、おじいちゃんでした。「そうだ、おじいちゃんならしっているかもしれない。この川が大好きで、ずっとまえから、ここに住んでいるんだもの」。このように、孫から信頼されるおじいちゃんになりたいですね。二人は、おじいちゃんとともに川の始まり探しをはじめます!さぁ、川の始まりには、何があるのでしょうか。
まず絵が美しい!ターナーの絵のような、光が透き通って景色をうつしだします。おじいちゃんと、孫たちの表情もいいですね。冒険の始まりを楽しむ場面、キャンプファイアに照らされる三人、そしていよいよ川の始まりをみつけた場面・・・。三人がみつけた、川の始まりはどのようなものだったのでしょう。自然に興味をもつことができる、読書の秋にぴったりの一冊です。ぜひ、読んでみてください!
2024年9月9日 -
『とびません。』
作 大塚 健太
絵 柴田 ケイコ
発行 パイ インターナショナル
おなじみのペンギンですが、そこにはある意志があるようです。それは、「とびません」ということ。そう、ペンギンは鳥の仲間。だけど、とびません。絵本は次のように始まります。
「ペンギンです。とりです。とりだけど・・・」。ページが変わって
「とびません。」
「フラミンゴが こえを かけました。ペンギンくん、いっしょに とぼうよ」。「ともだちに さそわれたら ペンギンは とぶのかな」
「とびません」
これの繰り返しです。ゴリラが飛行機で誘ってきたり、パンダが気球にのって誘ってきたりと、どの頁にも友達からの誘いがいっぱい。保育園でも読み聞かせをしましたが、絵本を聞いてくれている子どもたちは、「飛ぶのかな、飛ばないよね、どうだろう」と期待に満ちて見つめていました。もちろん、飛びません。ここまでして、飛ばないと「自分は自分だ」という意志を感じますよね。私は、私以外にはなれません!というような。
私はとばない私でいいんです!この、つよい意志が素敵です。でも、自分だったら周りにあわせて飛ぼうとするかもしれない。みなさんは、どうですか。
でも、最後にダチョウが誘いに来ました。今度ばかりは、ペンギンも乗り気です。さぁ、最後はどうなるか。最後のオチまで、最高に面白いです!
2024年5月30日