本の紹介
はじまりの日
作 ボブ・ディラン
絵 ポール・ロジャース
訳 アーサー・ビナード
絵 ポール・ロジャース
訳 アーサー・ビナード
発行所 岩崎書店
1月も10日を過ぎて、日常の生活が戻ってきましたね。お正月気分が抜けるどころか、お正月なんてあったかな、という気持ちになるほど、いつも通りの生活となりました。でも、その時に忘れてしまったのが、新年に感じた「特別な1日」という思いではないでしょうか。
そのようないつもの日常に戻った私達に、振り返る目を与えてくれるのが、今回の絵本『はじまりの日』です。著者はボブ・ディランさん。昨年、ノーベル文学賞を受賞したことで話題になりましたね。日本でもファンは多いですが、同時に「ディラン?誰?」という反応もありえるでしょう。一言で説明するのは難しいので、ぜひ曲を聞いてみてください。
『はじまりの日』の原題は”FOREVER YOUNG”です。これはディランさんが息子が誕生した時に、願いを込めて作った曲です。ですから歌詞には父親としての個人的な思いが込められているのですね。でも、読んでみると多くの子ども達に届いてほしい言葉が並んでいます。こちらも、ぜひ読んで確認してみてください。
翻訳というのは大事ですね”FOREVER YOUNG”を「はじまりの日」と訳すセンスを私は持ち合わせていません。これはアメリカ生まれで、日本で詩作活動を続けているビナードさんならではでしょう。「毎日が きみの はじまりの日」という言葉を読むと、日常が少し新鮮に感じられてきます。
ぜひ、ディランの曲を聞きながら、親子で読んでみてください。聞いて、読み進めるうちに、じわりとしみ込んでくる名曲と名作です。(園長)
2017年1月12日