本の紹介
おにたのぼうし
作 あまん きみこ
絵 いわさき ちひろ
発行所 岩崎書店
絵 いわさき ちひろ
発行所 岩崎書店
2月と聞くと、やはり思うのは雪景色と節分ではないでしょうか(あと最近では恵方巻)。節分についてのお話を紹介したいと思い、今月はこの一冊。約50年間読まれ続けている、名作中の名作ですね。
節分の夜、物置小屋の天井にくろおにがいました。名前は「おにた」。とっても、気のいいおにで、人間の洗濯物をしまってあげたこともあります。でも、節分の夜は大変です。まめまきの音を聞いて、物置を出ていきました。でも、どこの家にも「ひいらぎの葉」(おにの目をさします)が飾ってあるので入れません。ところが、一軒だけ入れる家がありました。ところが、その家はお母さんが病気で寝込んでいて、ちいさい女の子が食べる物もないまま、看病しているのでした。おにたは、背中がむずむずして、じっとしていられなくなり・・・、
節分の夜、物置小屋の天井にくろおにがいました。名前は「おにた」。とっても、気のいいおにで、人間の洗濯物をしまってあげたこともあります。でも、節分の夜は大変です。まめまきの音を聞いて、物置を出ていきました。でも、どこの家にも「ひいらぎの葉」(おにの目をさします)が飾ってあるので入れません。ところが、一軒だけ入れる家がありました。ところが、その家はお母さんが病気で寝込んでいて、ちいさい女の子が食べる物もないまま、看病しているのでした。おにたは、背中がむずむずして、じっとしていられなくなり・・・、
あまんさんの文章って、しみこみますよねぇ。このお話でもおにたの優しさがよく分かり、それだけに女の子の言葉に傷つく気持ちもよく分かります。けれど女の子も、お母さんを傷つけまいと、たくさん我慢しています。それだけに、おにたがきてくれて嬉しかったに違いありません。だけど、それなのに・・・あぁ、思いって何ですれちがうのでしょうねぇ。ぼうしで角をかくしたおにたの「おにだって、いろいろあるのに。おにだって・・」という言葉が、胸に余韻を残していきます。
人は、人のどこを見て判断しているのか。今だから、なおさらこの本が読まれるべきなのかもしれません。(園長)
2017年2月13日