本の紹介
『とびません。』
作 大塚 健太
絵 柴田 ケイコ
発行 パイ インターナショナル
おなじみのペンギンですが、そこにはある意志があるようです。それは、「とびません」ということ。そう、ペンギンは鳥の仲間。だけど、とびません。絵本は次のように始まります。
「ペンギンです。とりです。とりだけど・・・」。ページが変わって
「とびません。」
「フラミンゴが こえを かけました。ペンギンくん、いっしょに とぼうよ」。「ともだちに さそわれたら ペンギンは とぶのかな」
「とびません」
これの繰り返しです。ゴリラが飛行機で誘ってきたり、パンダが気球にのって誘ってきたりと、どの頁にも友達からの誘いがいっぱい。保育園でも読み聞かせをしましたが、絵本を聞いてくれている子どもたちは、「飛ぶのかな、飛ばないよね、どうだろう」と期待に満ちて見つめていました。もちろん、飛びません。ここまでして、飛ばないと「自分は自分だ」という意志を感じますよね。私は、私以外にはなれません!というような。
私はとばない私でいいんです!この、つよい意志が素敵です。でも、自分だったら周りにあわせて飛ぼうとするかもしれない。みなさんは、どうですか。
でも、最後にダチョウが誘いに来ました。今度ばかりは、ペンギンも乗り気です。さぁ、最後はどうなるか。最後のオチまで、最高に面白いです!
2024年5月30日