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未来のだるまちゃんへ
作 かこさとし
発行所 文藝春秋明らかに絵本界にとって「巨星堕つ」というほどの出来事なのですが、そのように感じさせないのが、かこさんのお人柄なのでしょうね。今年の5月2日に、かこさんがお亡くなりになりました。92歳でした。かこさんのことは詳しくなくても、『だるまちゃん』シリーズ、『からすのパンやさん』など作品はお読みなった方も多いでしょう。今回紹介した本は、かこさんの自伝です。その中に、絵本に込められたメッセージ、そしてかこさんが絵本に取り組む姿勢が詳しく述べられています。どの頁を読んでも、そこには子どもたちを肯定する姿、そして生きることの喜びが述べられています。「だから僕は、子どもたちには生きることをうんと喜んでいてほしい。この世界に対して目を見開いて、それをきちんと理解して面白がってほしい。」など、子どもたちに投げかけるべき言葉を、たくさん教えてくれます。。
そのような子ども観を持ったのは、幼い頃の戦争の経験があるからでした。かこさんは言います。「僕は、いつか『戦争』を描いた絵本を出したい、出さなければ、と思い続け、何回も企画を立てては、自らボツにして、いまだに果たせずにいます。(中略)あと余命がどのくらいあるかはわからないし、果たして間に合うのかどうか。しかし、なんとしても間に合わせなければと思い続けているのです」。私たちは、どのようにかこさんの思いを継承できるでしょうか・・・(園長)
年に書いた記事一覧
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♪みかんの花がさいてます♪
♪みかんのはぁながぁ さぁいてぇいるぅ♪ 子ども達の手遊びでも大人気な、この歌。子ども達がお互いの手を合わせながら遊んでいる姿も見られます。楽しそうで、いいですね。
でも、「みかんの花って、どんな花だっけ?」と戸惑う大人も多いかもしれません。正解は、こちらです。
最近、みかんの花をじっくり見る機会もないなぁ、と自分でも反省。でも、園庭から季節の移り変わりを感じられるのは、いいことですよね。毎日、同じように見えるけれど、少しずつ変化していることを、お花から教わりました。
花が咲いて、いつか実を結ぶ日を、心待ちにしながら、子ども達と観察したいと思います。ちなみに当園のみかんは、すっぱいけど美味しいんですよ。
2018年5月18日
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遠足、楽しかったね
5月12日(土)に、春の親子遠足に行ってきました。例年だと、鵜の岬に行くのですが、今年の徳風は違います!高萩市森林公園に行ってきました。
当日は、とても天気がよく汗ばむくらいでした。でも、とても緑がきれいでしたね。やっぱり、自然は気持ちいい!アスレチックで親子で触れ合う姿はいいものです。中には、お母さん同士がバドミントンで遊んでいる姿もありました。それも、いいものですね。
もちろん、お楽しみはお弁当タイム。それぞれが、なかよく家族同士シートをくっつけて楽しそうにいただいてました。今年の春から入園してくれたお友達も、みんなと仲良く食べていましたよ。
大自然にふれながら、それぞれの親睦を深めるのが春の遠足です。その目的は十分に達成できたようですね。つぎは、七夕会で遊びましょう。2018年5月16日
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縁生活
早いもので、4月も半ばを迎えます。暖かい日が続き、気持ちがいいですね。
徳風保育園でも、春とともに新しい生活が始まりました。そして、今年もたくさんの新しいお友達が入園してくれました。ようこそ!
紹介した『たくさんのドア』のように、子ども達はまた一つ新しいドアを自分で開けました。そこに見られる景色は、いつもとは違った新鮮なものでしょう。期待と不安が交差する瞬間です。
そして私達は知っています。いつか、その気持ちから不安が消えていって、田尻徳風保育園に来ることが楽しみになる日がくることを。
話したことがない他人が、いつの間にか「お友達」になっていく。これって、日常のことですが、とても不思議なことですよね。知り合うはずもなかった2人が徳風保育園で出会い、友達となる。これは、まさにご縁の世界です。ですから私は「園生活」は「縁生活」だと思うのです。
今までのお友達も一つ、大きくなりました。そして新しいお友達も入ってくれました。そうそう、新しい職員も入ってくれたことを忘れてはいけません。そして、徳風の春のお客さんであるツバメもやってきました。メンバーがそろい、徳風の楽しい春の縁生活は続いていきます。2018年4月13日
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卒園・修了おめでとう!
3月24日(土)に、第39回卒園・修了式が行われました。29名の年長児が、この保育園での生活を終えることになります。
感極まって涙を流している子もいました。やはり、卒園式の意味や、重さ、つまりこの園での日々が終わろうとしていることを感じたのでしょう。見ている、在園児にも、もらい泣きをしている子がいました。
別れは悲しいことですが、別れを通じてしか見えないこともあります。それは、共に過ごした日々の輝きです。別れを通じて、出会いの意味を知るとは、面白いですよね。
保護者の方からも、感謝の言葉や職員も登場するDVDを作成していただき、みんなウルウル。とても、感動的な一日でした。
式の後のお楽しみ会では、大道芸人の方をお呼びして演じてもらいました。子ども達も、目の前で繰り広げられるパフォーマンスに驚いたり、笑ったり。
泣いて、笑って、とても素晴らしい一日となりました。卒園・修了するみんな、本当におめでとう!
2018年3月26日
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たくさんのドア
作 アリスン・マギー
絵 ユ・テウン
訳 なかがわちひろ
発行所 金の星社誰もが通る道、という表現がありますよね。私達大人も、子どもの頃によく言われませんでしたか。「お別れか、誰もが通る道だな」という感じで。でも、私はその言葉を聞くたびにいつも思っていました。「誰もが通る道でも、僕は初めて通る道だよ」と。初めての経験は、誰もが不安を感じます。新しい経験は、新しいドアを開けるようなものです。この本は、待望の復刊です。もう、題名からして名作の雰囲気が出ています。
「きょうも あしたも あなたは たくさんの ドアを あけていく
そのむこうに たくさんの あたらしいことが まっている」「あなたは どんなひとになり いったい どこへ いくのだろう どうやって こたえを みつけて いくのだろう」・・うーむ、考えるなぁ。
保育園での生活を通じて子どもたちは、どんどん大きくなりますよね。ついこの間までは、あんなに小さかったのに、それがこんなことまで出来るようになるなんて・・という感想を持つのが育児の楽しみ。あなたは、どのような人になっていくのだろうか。そのような、私達が持っている気持ちを、この絵本がいきいきと、感動的に表現してくれています。新しいドアを開けるのは、誰もが不安です。でも、そのドアを自分で開けることの勇気と喜びを子ども達にはぜひ知ってほしいですよね。
毎年、保育園では卒園児・修了児の全員に絵本をプレゼントしています。今年は、この本の可能性が高いかな。(園長)2018年3月22日
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えがないえほん
作 B・J ノヴァク
訳 おおとも たけし
発行所 白泉社絵本の好みはどうしても偏ってしまいますよね。私の場合は、なんとなくですが、いい話の絵本を選んでしまうことが多いです。みなさんに紹介することもありますし、一度にたくさん買うこともできませんから、じっくりと選ぶと、どうしてもそのような本になってしまうのですね。今回は、違います。世界中で大人気の一冊です。何故、大人気かと言いますと、子ども達が大爆笑するからです。私も、子ども達を笑わせるのが好きですから、早速購入しました。 この本を読むときにはルールが一つあります。それは「かかれている ことばは ぜんぶ こえに だして よむこと」です。簡単でしょう。さてさて、それではどのような文字がならんでいるのでしょうか・・・例えば「ばふっ」「ぶりぶりぶ~!」です・・・・
私はこの本を読むときのルールをもう一つ見つけました。それは「恥ずかしがったらダメ!」です。たくさんの、楽しい?言葉が出てきます。読み進めると、この本の本当の狙いも明らかになってきます。職員が園児の前で、早速読んでくれました。ウケてました。いいなぁ。
私も、家族の前で全力で読んでみました。ウケませんでした。あれっ?途中恥ずかしくなってしまったからなのか、小学生にはうけないのか・・・何となく、ショックです。でも、皆さんには親子の楽しい時間が待っているはすです!(園長)2018年2月21日-
こどもねはん会
みなさん、2月15日は何の日かご存知ですか。バレンタインの次の日ですが・・
その日はお釈迦さまのご命日なのです。「涅槃会」(ねはんえ)といいます。田尻徳風保育園では、「こどもねはん会」として、行事を行っています。でも、あまりお釈迦さまの最後は、知られていませんよね。
お釈迦さまは80歳まで生きられました。今から、2500年以上前の話ですから、相当長生きされたのですね。でも、大切なことはお釈迦さまにも、最後の一日が来るということ、そしてその点は誰もが同じであることなのです。
保育園では園長などの話のあとに、お釈迦様の最後の場面を描いたペープサートを職員が上演してくれます。園長が言うのも変ですが、これが実に感動的なのです。園児たちが、劇に引き込まれていく様子がよくわかります。まるで、自分の目の前でお釈迦さまが生涯を終えようとしている、自分もその場に居合わせている・・そのような気持ちになるほど臨場感あふれる演出であり、内容なのです。
もちろん、子どもたちに「死」とは縁の遠いことかもしれません。けれど、人にはお別れの瞬間がいつか必ず来ることを、それぞれがそれぞれの表現で感じてくれたらいいのです。保育園での行事や生活を通じて、園児も職員も普段忘れがちな「生きている」ことを、みんなでもう一度考えていける―私はこのような当園が好きなのです。(園長)2018年2月19日
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